モノをつくるにはコストがかかる。普段はそのコストの支払いにあてられている「お札」も例外ではない。では、お札の製造コストは、どれくらいなのだろうか。日本のお札は国立印刷局の工場で製造され、日本銀行が発行している。日本銀行が国立印刷局に製造費用を支払い、お札をつくってもらっているわけだ。お札の純粋な製造単価は公表されていないが、特別会計予算書には国立印刷局への卸値の単価が記されている。それによると、一万円札が22円20銭、五千円札が20円70銭、千円札が14円50銭。これがお札の原価といえる。このなかには印刷費や紙代、職員の人件費などが含まれている。一万円札の原価がもっとも高いのは、他のお札より面積が大きく、使用されている色の種類が多いからだ。一万円札が千円札より多色なのは一目瞭然だろう。ところで、日本銀行は一万円を22円で仕入れ、一万円として利用しているのだから、さぞかし利ざやを儲けているのだろうと考えるかもしれない。だが、その心配は無用だ。日本銀行がお金を発行するときには、国債、商業手形などを買って、同じ額の資産をもつように義務づけられている。だから、卸値を差し引いた9978円をまるまる儲けようとしても、そうは問屋がおろさないのである。
外国為替取引は、取引される為替の受け渡し決済が直ちに行われるか、将来の時点で行われるかによって、直物取引と先物取引とに区別される。外国為替銀行と顧客との為替取引では、契約と同時に決済される場合を直物取引という。例えば、輸出業者が貨物を輸出して、輸出手形をその日の為替レートで外国為替銀行に買い取ってもらう場合、その対価である円が直ちに輸出業者に支払われるので、この取引は直物取引である。他方、銀行間取引では、翌々営業日に受け渡し決済を行う取引を直物取引と呼んでいる。こうした直物が取引される市場が外国為替の直物市場である。それに対して先物取引とは、将来の特定日、例えば一週間先とか1ヵ月先に為替を受け渡す契約を、現時点で結ぶものをいう。外国為替の先物が取引される市場を外国為替の先物市場という。
円はなぜ基軸通貨になれないのでしょうか。私はこの設問は必ずしも正しくないと思います。現在の円は、今着実に一歩一歩アジア経済圏を代表する国際通貨になりつつあるともいえるからです。そして、将来マルク(またはECU)、ドルと並んで欧州、アジア、アメリカ、それぞれの経済圏を代表する複数の基軸通貨のひとつとなる可能性は大きいと予想します。ですが、現在円がまだ世界の基軸通貨とはいえないこともまた事実です。前にあげた4点をチェックしてみましょう。日本は(1)についての強大な経済力と高い所得水準は、すでにクリアしています。政治的にはいろいろ問題はありますが、相対的には安定しているといえるでしょう。(2)は全く問題ありません。むしろ巨額の黒字をいかにして減らすかが課題ですが、この黒字を世界のため、どのように活用し貢献していくか、前向きの課題として考えるべきでしょう。(3)は、いうまでもなく平和国家、日本にとっては達成不可能な条件です。しかしデタントが軌道にのり、国連を中心に世界の平和と繁栄への道を進めるグローバリズムが、世界の本流となれば、この条件は意味を失うといっても良いでしょう。とすると、円が基軸通貨となり難い理由としては(4)の金融・資本市場の自由化が不十分であり、円の流通がスムーズに行えない点が、クローズ・アップされてきます。加えて、バブル経済の崩壊の中で生じた金融・証券界の不祥事などが海外の関係者に与えた、“円”に対する不信感は決して小さくありません。株価の下落と深く連動した日本の金融システムに対する不安感も円にとってはマイナスの要因です。
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