台風の名称は、日本では、現在、「第×号」というふうに番号で呼んでいるが、かつては、「ジェーン台風」など、英語の女性名で呼んでいた時代があった。これはアメリカがはじめた台風の呼び方で、現在でも、国や地域によっては、欧米人男女の名前を台風の名前としているところがある。グアム島にある米軍合同台風警戒センターが、欧米人男女の人名リストの名前を、アルファベット順に台風に名づけており、その名称をそのまま使っているためである。これに対して、「台風が欧米の人名では、住民に警戒心が起きにくい」と、変更を求める声があがっていた。そこで、一九九八年になって、国連アジア太平洋経済社会委員会と世界気象機関によってつくられている台風委員会では、マニラで開かれた年次会合で、二〇〇〇年から台風の呼び名を変えることを決定した。アジアと太平洋各地の名前を、台風につけることにしたのである。台風委員会に加盟しているのは、日本も含めて十四の国や地域。各加盟国・地域が名称を十ずつ考え、計百四十の名称を順番につけていくことになった。日本は、船舶関係者が星座にくわしいことから、「クジラ」「ウサギ」「トカゲ」「コンパス」「ヤギ」「てんびん」「冠」など、星座名を提案した。中国は、『西遊記』の主人公・孫悟空の名をとった「悟空(中国語でツーコン)」など、香港は、旧空港の「啓徳(広東語でカイタック)」や女性名の「珊珊(サンサン)」などを提案。カンボジアは「ゾウ」など、韓国は「ツバメ」など、タイはくだものの「ドリアン」など、ミクロネシアはあいさつの「やあ」などを、それぞれの現地語で提案して、百四十の名称が決定した。ただし、日本国内向けの天気予報では、これまで通り、番号で呼ぶとか。せっかく名前をつけるのに、ちょっと残念である。
ホテルという旅先の「拠点」をたっぷり利用した後はチェックアウトである。チェックアウトにはそう手間はかからないが、規模の大きなホテルではチェックアウト・タイム寸前になると、宿泊客でかなり混雑することも多い。最近では、客室内のTVでホテル内での利用金額をチェックできるようになっている。そして、事前に画面を操作すると自動的にチェックアウトできるスタイルのホテルも増えてきた。飛行機の出発時間が迫っているときは、そうした最新システムを利用するといいだろう。それ以外は、フロントのキャッシャーで支払いを済ませるわけだが、外国人旅行者を見ていると、ひとつひとつの項目を丁寧にチェックして、心当たりのないサービス料や料金が含まれているとホテル側に細かくクレームをつける。そうした実利的な態度は、日本人もぜひ見習うべきだろう。客室を出る際は、ルームメイドにチップを置く。よく余った小銭をベッドの上に残していく旅行者がいるが、あれはエチケットに反する。少額でもいいから紙幣にし、ホテルの専用封筒などに入れて、“Thanks”あるいは“Thankyoualot”などとメモして、ベッド横のテーブルランプの隣にでも置くといい。枕の下に枕銭を置くのがエチケットと未だに信じている人もいるようだが、必ずしもそんな必要はない。メイドのスタッフによく分かる形で置くのが一番だ。そもそも毎日置く必要もないが、外出の際に室内を片付けずに出かけたり、汚したりした場合は少し多目に置く程度でいい。ホテルのチェックアウトから空港への移動、そして空港税の支払い等々と、出発前までには、意外にチップ用の現金が必要だ。そのつもりで事前に用意しておくといいだろう。
「一村一品運動」で知られる平松守彦知事は、通産官僚で国土庁の審議官をつとめているときに出身地大分の副知事に転身し、四年後に知事になった。最近では国際的にも注目され、マハティール・マレーシア首相など海外の信奉者や視察者も多い。しかし、この「一村一品運動」というのもある意味では、苦肉の策という面もある。大分県は大きな平野がなく山がちである。このために、たとえばある町でメロンのよいものができても「大分メロン」を全国一として売り出すには量がそろわない。そこで、それぞれの町や村の多種多様の産品を少しずつ売り込んでいくしか方法がないのである。一つ一つ大都市の市場にセールスするのはたいへんだが、「一村一品運動」というかたちだとまとめてアピールできるわけだ。
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