自動車損害保険の意味

私のオフィスには、損保からの提示額が妥当かどうか判断してもらいたい、といった被害者からの相談依頼がよく舞い込みます。Mさんという三三歳のOLの方がみえました。左脚を骨折し、二か月入院し、六か月通院をしています。A損保から提示された「損害額内訳書」の「傷害(入通院)慰謝料」の項をみますと、入院日数・通院期間・合計治療期間と記され、六〇日・一八〇日・二四〇日・四二〇〇円×二四〇日=一〇〇万八〇〇〇円と書かれています。ちなみにMさんの治療内容に見合う慰謝料を東京の弁護士会基準で算定しますと、一八一万円になります。自賠責基準の算定額の約一・八倍です。任意保険基準によれば、一〇二万一〇〇〇円です。A損保は任意保険ですから、任意保険の基準で算定するならまだしも、それよりも低い自賠責保険の基準を用いてきました。もし自賠責保険の基準額でMさんが承諾してくれれば、その全額をA損保は自賠責から回収することができ、自社の懐が痛まなくてすむからです。上司からは「当然のことだが、よくやった」と誉められるでしょう。被害者の無知につけこんだ悪辣なやり方です。こういうふうに、相場よりもはるかに低い算定額を平然と出してくるというのも、A損保に限ったことではなく、すべての損保、共済に共通したスタンスです。
(自動車保険参考情報)
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