新築一戸建て、一戸建て総合ガイド

もともと日本の伝統的な住まいには「個室」というものはありませんでした。ふだん開け放しておく襖と障子で、大きな空間を区切るだけです。襖や障子を閉めたとしても、そこでの話し声や気配は伝わってきます。そんななかで日本人は、お互いがお互いを配慮しながら暮らしていく術を知らず知らずに学んで育っていったのです。そこではことさらの「プライバシー」は必要ありませんでした。農業は自然を相手にする大変な労働ですから、一人ではできません。

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家族だけではなく、村の人々までもが協力してコトに当たらなければなりません。そうなれば冠婚葬祭だって、同じ家族のように共同で行うようになります。家族なら、なおさらです。そのような文化では、一人一人が家に個室を持つことの意味など、なかったのでしょう。「それではプライバシーというものがない」とクレームをつけたのが、戦後の復興期に日本にやってきた進駐軍です。その後、高度成長期に向けて公営住宅がどんどん建てられていくなかで、囲炉裏のまわりで食事も勉強も家族団欒もやっていた(最後にはそこに布団を敷いて寝てしまう)ニッポンの家は消えていき、キッチン、ダイニング、応接間、個々の寝室といった欧米風を取り入れた家に代わっていったのです。

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